評価 ★★★☆☆
[総評]面白いテーマだが、後半はぐだぐだ。資料は豊富だが、肝心の配置がイマイチ。
⭕️
・戦前戦中の富国強兵・軍国主義時代と、戦後の民主主義社会とで、描かれたハニワが変化したという流れは面白かった。
・ハニワと抽象的な表現の親和性も面白い。
❌
・文字資料がやや多め。それ自体はいいが、照明が残念で見づらい。自分や隣の人の影が入り込んでしまう。かつどこに注目すればいいのか、解説等の誘導がほとんどない。
🔺
・後半になるとイサムノグチや岡本太郎といった有名どころにやたらスポットライトが当てられるが、そのために受容史的な構成にブレが生じていた気がする。というより、1960年代以降になると、ハニワや土偶を描くということにもはや大した意味がないのだと思われる。
・絵画作品群と文字資料群は分けるべきだったか。むしろ並置した方がいい場面が何箇所かあった。
・関連して、初めの章の作品解説で「新聞を賑わせた」とあったのに、関連する新聞記事がそばに置いてなかったのは個人的に違和感があった。
他
・文献を見る限り、誰もハニワが美しいとは思ってないようです。下手くそだから良いのだという反美術性ゆえに、戦前戦中には反西洋、戦後には民衆性の象徴になり得たのだと思いました。